2012年7月に固定価格買い取り制度が制定されて以来、太陽光発電設備は全国に急速に増加しました。
特に20年間安定した収益が見込めることから産業用と呼ばれる
大型の太陽光発電設備は政策の追い風にも乗って爆発的に増えたのですが、
その反面導入が進み過ぎたことで地域によっては新規の設備建設が難しくなっています。
従来「メンテナンスフリー」と言われ導入が進んだものの、実際には5、6年が経過すると
何らかの不具合が生じることも徐々に明らかになっています。
こうした背景から、設置された太陽光システムには引き続きメンテナンス等の既存設備向けのサービスが必要となっていき、急速に増えたタイミングからも分かるように、これからメンテナンスの需要が急速に増えることが予測できます。
一方で、太陽光発電設備のメンテナンス技術は基準となるものなどもないのが現状となり、メンテナンス技術の基準を策定、技術を共有することで、解決を図ります。
モジュール
花粉や黄砂等の汚れが
蓄積されていきます
経年劣化でひび割れが
発生することも
鳥の糞は時に大きな
故障の原因にもなります
パワコン
経年劣化により、
サビ・腐食等が発生し、
故障の原因となる
落雷などで停止するこ
とがあります
フィルターが詰まるこ
とでも効果が落ちます
その他
架台のゆがみや破損により
太陽光を取り込めない
ケースがあります
雑草がモジュールを遮り、
発電量の低下につながります
ケーブルの接続がはずれ
一方の端子が地面に
太陽光パネルはノーメンテナンスの状態で使っていると、自然と以下のように発電効率が落ちていくと予測されています。
パネル種類 | 10年後(%) | 20年後(%) | 25年後(%) |
---|---|---|---|
単結晶 | 92.4~93.7 | 85.3~87.8 | 82~85 |
多結晶 | 94.5~95.5 | 89.3~91.1 | 86.8~89 |
CIS/CIGS | 97~97.2 | 94.1~94.5 | 92.7~93.2 |
ヘテロ接合(HIT) | 96.0 | 92.2 | 90.4 |
アモルファス | 88.9 | 79 | 74.6 |
これを減衰率と言いますが、洗浄などのメンテナンスを行うことで、ある程度効率の減少を抑えることが可能です。
また、場合によってはひび割れを起こしたパネルに雨水等が入り込み、
漏電を起こすと発電そのものができなくなるだけではなく、感電の危険性もあります。